「本命の大学に合格した!」
うれしい瞬間ですよね。
でも、その前に滑り止めの私立大学へ入学金を払っていたら、こんな疑問が出てきます。
行かない大学に払った入学金って返してもらえるの?
結論からいうと、私立大学の入学金は、入学を辞退しても原則として返還されません。
一方で、入学金とは別に納めた授業料や施設費などは、大学が定める期限までに入学辞退の手続きをすれば返還される場合があります。
大学受験では受験料や入学後の学費だけでなく、こうした「滑り止めを確保するためのお金」まで考えておく必要があります。
わが家でも大学受験を経験して、ここは意外と大きな負担だと感じました。

私立大学の入学金は平均約24万円
文部科学省の最新調査では、私立大学の入学料は平均で240,365円です。ざっくり約24万円ですね。
20万円台とはいえ、家計にとってはかなり大きなお金です。
しかも滑り止めの大学では、次のような順番になることがあります。
合格
↓
入学金の納付期限
↓
その後に本命大学の合格発表
本命の結果がまだ分からなくても、滑り止めの入学資格を残すためには、期限までに入学金を払わなければならない。
そして後から本命に合格して滑り止めを辞退すると、基本的にはその入学金は戻ってきません。
本命合格はもちろんうれしい。でも、「あの入学金、返ってこないのか……」となるわけです。
なぜ行かない大学なのに返ってこないの?
「授業を受けていないんだから返してくれてもいいのでは?」と思いますよね。
しかし裁判では、入学金には、「その大学に入学できる地位を取得するための対価」という性格があると判断されています。
つまり、入学金を払ったことで、「本命がダメだった場合でも、この大学には入学できる」という権利を一定期間確保した。
その価値に対して支払ったお金なので、後から自分で入学を辞退しても原則として返還を求めることはできない、という考え方です。
滑り止め受験そのものが、この仕組みの上に成り立っているともいえます。
授業料や施設費はどうなる?
ここは入学金と分けて考える必要があります。
入学金以外に納めた、授業料・施設費・諸会費などについては、大学が指定する期限までに正式な入学辞退手続きをすれば、返還される場合があります。
ただし、何が返還されるか、いつまでに辞退すればよいか、どんな手続きが必要かは大学によって違います。
「3月末くらいまでなら大丈夫だろう」と思い込まず、必ずその大学の入学手続要項を確認してください。
電話で「辞退します」と伝えるだけでは手続きが完了しない場合もあります。

「入学金は絶対返らない」が少しずつ変わってきた
ここまで読むと、「結局、入学金は戻らないんだな」と思いますよね。
ただ、2027年度入試に向けて、少しずつ状況が変わり始めています。
文部科学省も、入学しない大学へ支払う入学金が学生や保護者の負担になっていることを問題として取り上げています。
特に最近は、一般選抜だけでなく総合型選抜や推薦など受験機会が多様化し、複数の大学へ入学金を納める可能性も高まっています。
文科省の調査では、私立大学・短期大学836校のうち、210校、約25%が、すでに対応しているか、2027年度以降の対応を予定・検討しています。
内容としては、入学金の納付期限を延ばす、最初に一部だけ納める、辞退時期によって入学金の全部または一部を返還する、といった方法です。
滑り止めを決めるときは「お金の日程」も確認しよう
大学受験というと、偏差値、試験日、合格発表日。このあたりは一生懸命調べます。
でも家計の面では、もう一つ重要なのが、入学金の納付期限です。
たとえば、滑り止めの入学金期限が2月15日、本命の合格発表が2月20日だったとします。
この場合、たった5日の差でも、滑り止めの席を確保するためには先に入学金を払う必要があります。
だから受験校が決まったら、こんな簡単な表を作っておくと分かりやすいです。
| 確認すること | 日付・金額 |
|---|---|
| 滑り止めの合格発表 | ○月○日 |
| 入学金の納付期限 | ○月○日 |
| 入学金 | 約○万円 |
| 本命校の合格発表 | ○月○日 |
| 入学辞退の期限 | ○月○日 |
| 授業料等の返還期限 | ○月○日 |
「試験の日程表」と一緒に「お金の日程表」も作る。
これだけでも、直前になって慌てる可能性をかなり減らせます。
入学金も「大学受験費用」として考えておく
大学進学のお金というと、「4年間の学費はいくら必要?」と考えがちです。
もちろん、それも大切です。でも実際の大学受験では、その前からお金が出ていきます。
- 受験料
- 交通費
- 場合によっては宿泊費
- 滑り止め大学へ払う入学金
この入学金は、本命に合格すれば結果的に「入学しない大学へ払ったお金」になる可能性があります。
だから家計では、入学する大学の学費とは別に、滑り止め用の入学金が必要になる可能性も考えておくのが現実的です。
国公立大学の場合は?
国公立大学でも、納付した入学料は原則として返還されない扱いが一般的です。ただ、今回の記事では、併願によって入学金の負担が発生しやすい私立大学を中心に説明しています。
まとめ|2027年度は「返らない前提+募集要項確認」で備える
この記事のまとめ
- 私立大学の入学金は、入学辞退しても原則として返還されない
- 授業料や施設費などは、期限内に辞退すれば返還される場合がある
- 私立大学の入学料平均は約24万円
- 2027年度入試に向けて、返還・猶予・分割納付など負担軽減の動きもある
- 受験校を決めたら、試験日程だけでなく「お金の日程表」も作る
本命に合格したときは、お金のことを気にせず、「やった!」と喜びたいですよね。
大学受験が始まる前から、学費だけでなく滑り止めの入学金まで含めた受験資金を準備しておきたいところです。
よくある質問
Q. 大学の入学金は返還されますか?
私立大学の入学金は、入学を辞退しても原則として返還されません。ただし、大学によっては2027年度入試に向けて負担軽減策を設ける場合があります。
Q. 授業料や施設費も返ってこないのですか?
入学金とは別に納めた授業料や施設費などは、大学が指定する期限までに正式な辞退手続きをすれば返還される場合があります。期限と手続きは必ず入学手続要項で確認してください。
Q. 滑り止めの入学金はどう考えればいいですか?
戻らない可能性が高い受験費用として、あらかじめ予算に入れておくのが現実的です。複数校に納める可能性がある場合は、家計への影響を事前に確認しておきましょう。
参考情報
※本記事は2026年8月23日時点の公表情報をもとに作成しています。入学金・授業料等の返還条件や納付期限は大学・入試方式によって異なります。2027年度の受験時には、必ず各大学の最新の募集要項・入学手続要項をご確認ください。