この記事の結論(先に言います)
私(52歳・会社員)は、iDeCo(イデコ)をこれまでやっていませんし、今のところやる予定もありません。理由はシンプルで、「まずNISAの枠を埋めるほうが先」だからです。ただ、iDeCoが悪い制度というわけではありません。この記事では、私がやらなかった本音の理由と、2024〜2026年で変わった制度、そして楽天証券でiDeCoを使う場合のメリット・デメリットを、できるだけ正直に整理します。
目次
そもそもiDeCo(イデコ)とは?
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を出して運用し、原則60歳以降に受け取る「自分専用の年金づくり」の制度です。大きな魅力は、税制上のメリットが3つあることだと言われています。
- 掛金が全額「所得控除」になる……毎月の掛金がまるごと所得から差し引かれ、その分その年の所得税・住民税が軽くなります。これがiDeCo最大のメリットとされています。
- 運用で増えた利益が非課税……通常は約20%かかる運用益への税金が、iDeCoの中ではかかりません(ここはNISAと同じ考え方です)。
- 受け取るときも控除がある……一時金で受け取れば「退職所得控除」、年金形式なら「公的年金等控除」の対象になります。
節税という点では、NISAより踏み込んだメリットがある制度です。ではなぜ、私はやってこなかったのか。次から正直に書きます。
私がiDeCoをやらなかった4つの理由
理由①:申し込みに「会社の書類」が必要で面倒だった
以前のiDeCoは、加入するときに勤務先に「事業主証明書」という書類を書いてもらう必要がありました。会社に「iDeCoを始めるので書いてください」と頼むこと自体が、正直ちょっとおっくうで、それだけで足が止まってしまいました。(※この点は2024年12月に大きく変わりました。後述します)
理由②:60歳まで引き出せない(資金がロックされる)
iDeCoは原則として60歳まで引き出せません。教育費がかかる時期や、急な出費があったときに使えないお金になるのは、私には不安が大きく感じられました。いつでも引き出せるNISAのほうが、自分の状況には合っていると思いました。
理由③:出口(受け取り方)が面倒・複雑
iDeCoは「入るとき・運用するとき」は節税でお得でも、「受け取るとき(出口)」の税金の計算が複雑です。退職金とiDeCoの受け取り時期が近いと、退職所得控除の枠を取り合ってしまい、思ったより税金がかかる場合があります。この出口戦略を考えるのが面倒だと感じていました。(※ここも2026年から条件が変わり、むしろ複雑になりました。後述します)
理由④:そもそもNISAの枠すら埋められていない
これが一番大きい理由です。新NISAは生涯で1,800万円まで非課税で投資できますが、わが家ではその枠を毎年フルに使えているわけではありません。引き出し自由で非課税のNISAという「いい枠」が余っているのに、引き出せないiDeCoを先に始める理由がなかった、というのが本音です。
私の優先順位
「生活防衛資金を確保 → NISAの枠を活用 →(それでも余力があれば)iDeCoを検討」。この順番で考えた結果、私はまだNISAの段階にいる、ということです。
2024〜2026年でルールが変わった(重要)
「やらない理由」を書きましたが、制度はどんどん変わっています。私が止まった理由のうち、解消されたものもあれば、逆に複雑になったものもあります。最新の状況を整理します。
① 2024年12月:会社の「事業主証明書」が廃止された
2024年(令和6年)12月から、iDeCo加入時に必要だった「事業主証明書」が原則廃止されました。個人の口座から掛金を出す場合は、勤務先に申請しなくてもiDeCoに加入できるようになったとされています。つまり、私がやらなかった理由①(会社への書類が面倒)は、ほぼ解消されたことになります。
② 2024年12月:会社員・公務員の一部で掛金の上限が引き上げ
会社に確定給付型の年金(DB)などがある方や公務員の方のiDeCo掛金の上限が、月1.2万円から月2万円に引き上げられました。ただし、企業年金の掛金との合計が月5.5万円を超えられないなどの条件があり、人によっては2万円まで使えない場合があります。
③ 2026年1月から:退職所得控除の「5年ルール」が「10年ルール」へ
2025年度(令和7年度)の税制改正で、iDeCoの一時金と会社の退職金を別々に受け取るときの調整ルールが変わりました。これまでは「先にiDeCoを受け取り、5年以上あけてから退職金を受け取れば、それぞれに退職所得控除を満額使える」とされていましたが、2026年1月1日以後は、この期間が「10年」に延長されたと案内されています。
④ 今後の予定:加入年齢「70歳未満」へ・掛金上限の引き上げ
さらに、iDeCoに加入できる年齢を現在の「65歳未満」から「70歳未満」まで広げ、掛金の上限も引き上げる方向で改正が予定されていると報じられています。ただし、施行時期については案内によって時期が分かれており(2027年とする案内もあります)、確定した内容ではありません。最新かつ正確な情報は、必ず公式情報でご確認ください。
※出典:政府広報オンライン、iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)、各証券会社の制度改正案内(2026年6月時点で確認)。制度は今後も改正される可能性があります。
楽天証券でiDeCoをやるメリット・デメリット
私は楽天証券でNISAを運用しているので、「もしiDeCoをやるなら楽天証券で」と考えています。そこで、楽天証券のiDeCoについて、事実ベースでメリットとデメリットを整理しました(2026年6月時点で確認した内容です)。
メリット
- 運営管理手数料が「誰でも0円」……金融機関に払う運営管理手数料が、条件なしで無料とされています。ネット証券の中でも有利な水準です。
- 低コストの投資信託がそろっている……投資信託は36本前後+定期預金1本(2025年時点)。楽天・オールカントリーや楽天・S&P500、eMAXIS Slimシリーズなど、運用コストの低い商品から選べます。
- 楽天経済圏との相性……楽天・プラスシリーズの残高に応じて楽天ポイントが貯まるプログラムがあるなど、楽天ユーザーにはなじみやすい設計です。
- NISAと同じ画面で管理しやすい……すでに楽天証券を使っている人は、ログインや管理の手間が増えにくいのも実際的なメリットです。
デメリット(楽天証券に限らずiDeCo共通のものを含む)
- 最低でも毎月の手数料がかかる……運営管理手数料が無料でも、国民年金基金連合会(月105円)と事務委託先の信託銀行(月66円)の合計・月171円程度はどの金融機関でも必ずかかるとされています。少額の掛金だと、この固定費の比率が高くなります。
- 楽天カードでの積立ができない……NISAは楽天カード積立でポイントが付きますが、iDeCoの掛金は楽天カード決済の対象外です。
- 60歳まで引き出せない……これはiDeCoの制度そのものの特徴で、楽天証券に限った話ではありません。
- 掛金の変更は年1回まで……掛金額を変えられるのは年に1回だけ、というのもiDeCo共通のルールです。
- 元本割れの可能性……投資信託で運用する場合、値動きにより元本を下回ることがあります。
| 項目 | NISA(楽天証券) | iDeCo(楽天証券) |
|---|---|---|
| 掛金の所得控除(節税) | なし | あり(全額所得控除) |
| 運用益の非課税 | あり | あり |
| いつでも引き出せる | 引き出し自由 | 原則60歳まで不可 |
| 毎月の口座管理手数料 | なし | 最低 月171円程度 |
| クレカ積立(楽天カード) | 対象 | 対象外 |
| 受け取り時の税金 | 非課税(手続き不要) | 控除はあるが計算が複雑 |
※手数料・商品本数などは2025〜2026年時点で確認した内容です。最新の正確な情報は楽天証券iDeCoの公式ページでご確認ください。
それでも私が「今はやらない」と決めている理由
ルールが変わって、私がやらなかった理由①(会社の書類)はほぼ解消されました。それでも、私は当面iDeCoをやらないつもりです。理由を更新すると、こうなります。
- 理由①(会社の書類)……✅ 解消された。でも、これは「始めない理由」が1つ消えただけ。
- 理由②(60歳まで引き出せない)……🔄 変わらず。手元の自由を優先したい。
- 理由③(出口が複雑)……⚠️ 2026年の10年ルールでむしろ難しくなった。
- 理由④(NISA枠が埋まっていない)……🔄 変わらず。まずはここに集中。
つまり、「会社の手続きが楽になったから即iDeCo」ではなく、引き出し自由で非課税のNISA枠を使い切ることが先、という考えは今も変わっていません。ただし、これは「iDeCoは絶対やらない」という意味ではありません。NISAの枠が埋まってきて、所得控除のメリットを active に取りに行きたくなったら、そのときに改めて検討するつもりです。
iDeCoが向いている人・私のような選び方もアリな人
iDeCoが向いていそうな人
- NISAの枠を使い切る余力があり、さらに節税したい人
- 所得税・住民税の負担が大きく、所得控除の効果が大きい人
- 「60歳まで引き出せない」ことを、むしろ強制貯蓄として前向きに使える人
私のように「まずNISA優先」もアリな人
- NISAの枠すらまだ埋めきれていない人
- 教育費など、近い将来に使うお金の余裕を残しておきたい人
- 受け取り時の複雑な計算に、今は時間をかけたくない人
どちらが正解ということはなく、家計の状況と「お金にいつアクセスしたいか」で変わります。大事なのは、人の正解ではなく、自分の家計に合うかどうかです。
まとめ
- 私はiDeCoをやっていない。一番の理由は「NISAの枠すらまだ埋まっていない」から。
- 2024年12月の改正で「会社の証明書」が廃止され、始めるハードルは下がった。
- 一方、2026年からの「10年ルール」で、受け取り(出口)はむしろ複雑になった。
- 楽天証券のiDeCoは運営管理手数料0円・低コスト商品が魅力だが、月171円程度の固定費や、楽天カード積立非対応などの注意点もある。
- 結論:私は当面「NISA優先」。でも、iDeCoが向いている人もいる。自分の家計で判断を。
NISAについては、当サイトの入門記事もあわせてご覧ください。まずは自分の積立がどれくらい育つのか、シミュレーターで具体的な数字を見てみるのもおすすめです。