「もう50歳だし、今さら積立投資を始めても遅いんじゃないか…」
そう思って一歩を踏み出せずにいる方、多いのではないでしょうか。
結論から言います。50歳からでも遅くありません。ただし「40歳から始めた場合」と比べると、複利の差は想像以上に大きい。その現実も含めて、リアルな数字でお見せします。
この記事では、毎月5万円をS&P500やオルカン(全世界株式)のインデックスファンドに積み立てた場合、50歳スタートと40歳スタートで65歳時点の資産がどうなるか、年利5%・7%・10%の3パターンでシミュレーションしました。
目次
前提条件
- 毎月の積立額:5万円(新NISAつみたて投資枠の範囲内)
- 投資先イメージ:S&P500、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)などのインデックスファンド
- 積立期間:
- パターンA:50歳→65歳(15年間、元本900万円)
- パターンB:40歳→65歳(25年間、元本1,500万円)
- 想定利回り(年率):5%/7%/10% の3通り(月複利で計算)
- 新NISA口座を想定(運用益は非課税)
💡 利回りの目安
S&P500の過去30年の平均リターンは約10%(ドルベース)、オルカンは約7〜8%と言われます。ただし将来は誰にもわからないので、控えめな5%も含めて3パターンで見るのが現実的です。
結果①:50歳から15年積み立てた場合(元本900万円)
| 想定利回り | 65歳時点の資産 | 運用益 | 元本との比較 |
|---|---|---|---|
| 年5% | 約1,336万円 | +436万円 | 1.48倍 |
| 年7% | 約1,585万円 | +685万円 | 1.76倍 |
| 年10% | 約2,072万円 | +1,172万円 | 2.30倍 |
毎月5万円、トータル900万円の積み立てが、控えめな年5%でも1,300万円超。年7%なら約1,585万円です。
かつて話題になった「老後2,000万円問題」に対して、50歳からのスタートでも射程圏内に入ってくることがわかります。
結果②:40歳から25年積み立てた場合(元本1,500万円)
| 想定利回り | 65歳時点の資産 | 運用益 | 元本との比較 |
|---|---|---|---|
| 年5% | 約2,978万円 | +1,478万円 | 1.99倍 |
| 年7% | 約4,050万円 | +2,550万円 | 2.70倍 |
| 年10% | 約6,634万円 | +5,134万円 | 4.42倍 |
同じ毎月5万円でも、スタートが10年早いだけで結果は別世界です。
年7%なら約4,050万円。運用益だけで2,550万円と、元本(1,500万円)を上回る利益が出ます。年10%に至っては6,600万円超え。
50歳スタートと40歳スタートの差はいくら?
| 想定利回り | 50歳スタート | 40歳スタート | 差額 |
|---|---|---|---|
| 年5% | 1,336万円 | 2,978万円 | 1,642万円 |
| 年7% | 1,585万円 | 4,050万円 | 2,465万円 |
| 年10% | 2,072万円 | 6,634万円 | 4,562万円 |
元本の差は600万円(10年×月5万円)なのに、年7%では差が2,465万円まで開きます。
これが複利の正体です。増えたお金がさらにお金を増やすので、運用期間が長いほど後半の伸びが加速します。25年運用の最後の10年は、元本だけでなく「それまでに増えた分」も働いてくれるわけです。
だから結論は2つ
① 40代の人へ:今すぐ始めることを検討してください
もしあなたが40代なら、上の表のとおり、10年の差は数千万円の差になりえます。「もう少し勉強してから」「相場が落ち着いてから」と先送りする1年が、将来の数百万円を削っているかもしれません。
② 50代の人へ:「遅い」と「無意味」はまったく違う
50歳スタートは、たしかに40歳スタートには敵いません。でも900万円の元本が1,300〜1,500万円超に育つ可能性があるインパクトは、低金利の預金ではまず得られないものです。
しかも見落としがちですが、65歳で運用が終わるわけではありません。65歳以降も全額を取り崩すわけではなく、運用を続けながら少しずつ使っていくのが現実的です。つまり50歳から始めても、実際の運用期間は15年ではなく20年、25年になりえます。
「あのとき始めておけば」と60歳で後悔するか、いま始めるか。人生でいちばん若いのは、今日です。
夫婦で始めると効果は2倍
ちなみに、わが家は私が52歳、妻が40歳。もし夫婦それぞれが月5万円ずつ積み立てたら——
- 私(〜65歳・13年)+妻(〜65歳・25年)
- 年7%想定なら、世帯で約5,300万円(私分 約1,270万円+妻分 約4,050万円)
新NISAは一人ひとりに非課税枠(生涯1,800万円)があるので、夫婦なら枠も2倍。世帯で考えると、戦略の幅が一気に広がります。
注意点:シミュレーションを鵜呑みにしない
最後に大事な注意を3つ。
① 利回りは保証されていない。過去のリターンは未来を約束しません。15年・25年の間には2026年6月の急落のような下げ相場が何度も来ると考えておくべきです。大事なのは、下がっても淡々と積立を続けることです。
② むしろ下落は「安く買えるチャンス」になりえる。積立投資は価格が下がった月ほど多くの口数を買えます(ドルコスト平均法)。途中の下落は、積立期間中の人にとっては必ずしも敵ではありません。
③ 生活防衛資金が先。投資は余裕資金で。生活費の半年〜1年分の現金を確保してから始めるのが鉄則です。
まとめ
- 毎月5万円の積立は、50歳スタートでも65歳時点で約1,300万〜2,000万円が見込める試算(年5〜10%想定)
- 40歳スタートなら約3,000万〜6,600万円。複利は時間に比例ではなく加速する
- 10年の差は、元本600万円の差ではなく数千万円の差になりえる
- だから40代は今すぐ検討を、50代も「今日がいちばん若い日」
新NISAの口座開設や銘柄選びについては、下の関連記事でも解説しています。まずは月5万円が無理なら、月1万円からでも。複利の列車は、乗った人から動き出します。