年金受給額の平均・中央値と老後不足分の解決策
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年金受給額の平均・中央値と老後不足分の解決策|積立NISAで出口戦略まで解説

「年金だけで老後は生活できるの?」「いったいいくら不足するの?」——定年まで残り8年のサラリーマンとして、この問いを数字で正面から受け止めました。この記事では、厚生労働省の最新データをもとに年金受給額の平均・中央値を整理し、老後の不足分をどう補うか。積立NISAのS&P500・オルカンを使った出口戦略まで、実践ベースで解説します。

① 国民年金のみ:平均・中央値と受給開始年齢

国民年金は、自営業・フリーランス・専業主婦(夫)など、厚生年金に加入していない人が受け取る年金です。受給額は「納付月数」だけで決まるため、シンプルですが上限があります。

平均受給額(月額・全体)
5.8万円
男性 6.0万円 / 女性 5.6万円
満額(2025年度・月額)
6.9万円
年額 831,700円(68歳以下)
中央値(月額)
6万円台
最多分布は6〜7万円未満
区分 月額 年額 備考
満額(2025年度) 69,308円 831,700円 40年間全納が条件
平均(全体) 57,584円 690,900円 令和5年度実績
平均(男性) 59,965円 719,580円
平均(女性) 55,777円 669,324円
出典:厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

受給開始年齢と繰り上げ・繰り下げ

原則は65歳からの受給です。60歳まで早める「繰り上げ」は最大24%減額、75歳まで遅らせる「繰り下げ」は最大84%増額になります。国民年金だけの場合、繰り下げの効果が特に大きくなります。

⚡ 繰り下げ受給のポイント
65歳→70歳に繰り下げると受給額は42%増。月6.9万円→9.8万円に。ただし70歳まで生きることが前提。平均寿命を考えると男性は68〜69歳、女性は70歳前後が損益分岐点の目安です。

② 厚生年金あり:平均・中央値と男女差

厚生年金は国民年金(基礎年金)に上乗せされる形で受け取ります。受給額は現役時代の年収×加入期間によって決まるため、個人差が非常に大きいのが特徴です。

平均受給額(月額・全体)
14.6万円
国民年金部分を含む
平均(男性)
16.7万円
年額 約200万円
平均(女性)
10.7万円
男女差 約6万円

中央値(令和6年度データ)

区分 中央値(月額) 平均(月額) 年額換算(平均)
全体 14〜15万円未満 146,429円 175.7万円
男性 17〜18万円未満 166,606円 199.9万円
女性 10〜11万円未満 107,200円 128.6万円
出典:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
📊 平均と中央値はほぼ一致
厚生年金は平均と中央値の差が小さく、データの分布が比較的均一です。ただし分布幅は広く、9〜12万円台に最も多くの受給者が集中しています。15万円以上もらえるのは全体の約4割程度です。

モデルケース(夫婦世帯)

夫が会社員・妻が専業主婦の場合、2025年度のモデルケースでは夫婦合計で月232,784円(約23.3万円)の受給が見込まれています。


③ 平均寿命と今後の予測

男性平均寿命(2024年)
81.1歳
前年横ばい(厚労省)
女性平均寿命(2024年)
87.1歳
40年連続世界1位
将来推計(男性 2070年)
85.9歳
女性は91.9歳へ
年次 男性 女性 出典・備考
2024年(実績) 81.09歳 87.13歳 厚労省 簡易生命表
2040年(推計) 83.3歳 89.1歳 国立社会保障・人口問題研究所
2070年(推計) 85.9歳 91.9歳 死亡中位仮定
⚠️ 「平均寿命」は過小評価に注意
平均寿命は「0歳時点」の余命です。65歳時点でさらに生きる年数(平均余命)は、男性約20年・女性約25年。つまり65歳で定年を迎えた場合、男性は85歳・女性は90歳まで生活費が必要になる計算です。

健康寿命との差に注目

2022年データでは健康寿命は男性72.6歳・女性75.5歳。平均寿命との差は男性8.5年・女性11.6年。この「介護が必要な期間」の費用も老後資金に組み込む必要があります。


④ 年金だけでは足りない?不足額を計算する

総務省「家計調査2024年」によると、65歳以上の無職世帯の家計収支は以下の通りです。

💰 毎月の収支シミュレーション(2024年実績)

夫婦世帯(65歳以上無職)
▲3.4万円/月
収入22.5万円 vs 支出25.7万円
単身世帯(65歳以上無職)
▲2.8万円/月
収入12.1万円 vs 支出14.9万円
夫婦30年間の累計不足額
▲1,224万円
3.4万円 × 360ヶ月
単身30年間の累計不足額
▲1,008万円
2.8万円 × 360ヶ月
🏠 賃貸の場合は要注意
上記の家計調査の住居費は夫婦で月約1.6万円(持ち家前提)。賃貸の場合は差額を上乗せする必要があります。都市部の賃貸で月7〜8万円なら、不足額は月9〜10万円超になることも。

国民年金のみの場合の不足額

厚生年金がなく国民年金のみの夫婦(自営業など)の場合、月の収入は満額でも約13.8万円(2人分)。夫婦の生活費25.7万円との差は月約12万円の不足。30年で4,320万円もの資金が必要になります。


⑤ 不足分をどう補うか:積立NISAの活用

不足分を補う手段はいくつかありますが、長期・積立・分散の観点から最も再現性が高いのが積立NISAです。

✅ 積立NISAが老後対策に向いている理由
  • 運用益・売却益がすべて非課税(通常20.315%の税金が0円)
  • 月100円から始められ、積立・引き出しの柔軟性が高い
  • 年間360万円(つみたて投資枠120万+成長投資枠240万)まで投資可能
  • インデックスファンドなら低コストで世界分散投資ができる

S&P500 vs オルカン:どちらを選ぶ?

比較項目 S&P500(米国株) オルカン(全世界株)
投資対象 米国主要500社 世界約50カ国3,000社超
米国比率 ほぼ100% 約63%(2025年時点)
過去10年リターン 年率 約12〜14% 年率 約10〜12%
リスク分散 米国集中リスクあり より幅広く分散
おすすめな人 米国経済を信頼できる人 迷ったらこちら・初心者
💡 私の選択:S&P500コアで積み立て中
正直、どちらでも長期では大差ないというのが結論です。大切なのは選んだら市場の上下に動じず淡々と積み立て続けること。私はS&P500を選んでいますが、迷うくらいならオルカン一択でOKです。

積立シミュレーション(月3万円の場合)

積立期間 元本 年率5%の場合 年率7%の場合
10年 360万円 約465万円 約497万円
15年 540万円 約796万円 約913万円
20年 720万円 約1,233万円 約1,512万円

※複利計算による概算。税金・手数料は考慮していません。将来の運用成果を保証するものではありません。


⑥ 出口戦略:S&P500・オルカンの取り崩し方

積み立てた資産をいつ・どう使うかが「出口戦略」です。老後の収入源として活用するためには、資産を減らしすぎない取り崩し方を選ぶことが重要です。

代表的な4つの出口戦略

①4%ルール(定率取り崩し)王道

毎年、保有資産の4%を取り崩す方法。米国トリニティ大学の研究で「30年以上資産が枯渇しない確率が98%以上」と実証。2,000万円なら年80万円・月6.7万円を取り崩せる計算。

②3%ルール(日本版・保守的)安全重視

4%ルールはアメリカの経済成長を前提としているため、日本では3%が安全との意見も多い。資産2,000万円なら年60万円(月5万円)。不足分の補填として使いやすい水準。

③定額取り崩し

毎月一定額を売却する。生活費の計算が立てやすく管理しやすい反面、相場下落時に多くの口数を売ることになるデメリットも。年金の補填分だけ取り崩す使い方が現実的。

④運用しながら取り崩す

全額引き出さず、一部を運用し続けながら不足分だけ取り崩す方法。資産寿命が最も長くなりやすく、インフレにも対応しやすい。ただし市場変動に一定の耐性が必要。

📋 実践的な出口設計:年金と組み合わせる

老後の収入設計は「年金+NISA取り崩し」の組み合わせが基本です。

例:夫婦世帯 月の生活費25万円 金額
厚生年金(夫)+国民年金(妻) 約22万円
NISAから補填(3%取り崩し・2,000万円の場合) 約5万円/月
合計 約27万円

→ 2,000万円の資産があれば、月5万円の不足分を30年以上補填できる計算になります。

繰り下げ受給とNISAの連携戦略

年金の繰り下げ(65歳→70歳)の5年間の生活費をNISA資産で賄い、70歳以降は増額した年金(約42%増)を受け取る——という設計も有力です。年金を70歳まで繰り下げると、その後の損益分岐点を超えれば一生プラスになります。


📌 まとめ:今すぐやること

1
ねんきん定期便で自分の受給額を確認する
毎年誕生日前に届く。スマホで「ねんきんネット」からも確認可能。
2
老後の生活費を概算する
夫婦・単身、持ち家・賃貸で大きく変わる。まずは月25〜30万円を目安に。
3
不足分を計算して必要な積立額を逆算する
「月3万円不足×20年=720万円」のように具体的な数字にすると動ける。
4
積立NISAでS&P500かオルカンを始める
迷ったらオルカン一択。まず月1万円から始めて慣れることが大事。
5
年金の繰り下げタイミングを家族と話し合う
健康状態・家計・配偶者の年金を総合的に考えて判断する。
💬 52歳の私からひとこと
「老後が不安」と漠然と思っているだけでは何も変わりません。数字にした瞬間、やるべきことが見えてきます。私も2025年からS&P500積み立てを始めて、その安心感は想像以上でした。年金受給額の平均を知ることは、怖くなるためではなく、行動するための第一歩です。

🛠 無料ツール:価値観マップで老後の「なぜ」を見つける

お金の目標は「なぜやるか」が明確でないと続きません。当サイトの無料ツールで自分の価値観を整理してみてください。

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主な参考資料
・厚生労働省「令和5・6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「令和6(2024)年簡易生命表の概況」
・総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」
・国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」
・トリニティ大学研究(1998年)4%ルールの理論的根拠