「生命保険、若い頃に勧められるまま入って、そのままになっていませんか?」

私がまさにそれでした。朝日生命の「保険王プラス」に月々11,785円。50歳を超えるタイミングで見直したところ、更新のたびに保険料が上がっていく仕組みだと今さらながら実感しました。

思い切って埼玉県民共済に乗り換えた結果、月々5,000円に。年間81,420円(月6,785円)の削減になりました。

ただし、生命保険の見直しは自動車保険や火災保険より「比べるのが難しい」ジャンルです。保障の中身が同じではないからです。この記事では、金額だけでなく「何を手放して、何を得たのか」を正直に、実体験ベースでお伝えします。

⚠️ この記事について
本記事は個人の実体験に基づいています。必要な保障は家族構成・貯蓄・住宅ローン・勤め先の制度によって大きく異なり、誰にでも県民共済が最適とは限りません。共済の保障内容・割戻率は年度によって変わる場合があります。最新情報は必ず公式サイトで確認し、ご自身の状況に合った判断をしてください。

「更新のたびに高くなる保険」に気づいた50歳

きっかけは、固定費の総点検でした。火災保険自動車保険と見直しを進める中で、毎月引き落とされている生命保険の明細をあらためて見たのです。

月11,785円。年間にすると141,420円。しかも私が入っていたタイプは、更新の時期が来るたびに年齢に応じて保険料が上がっていく仕組みでした。50代・60代と進むほど負担が重くなる。「このまま持ち続けていいのか?」と初めて真剣に考えました。

大手保険会社の手続きや商品説明は複雑で、パンフレットを読み返してもため息が出るような状態。「そもそも、いま自分に1,000万円の死亡保障は必要なのか?」という根本から考え直すことにしました。

旧契約(朝日生命)

141,420円

年間(月11,785円)

新契約(県民共済)

60,000円

年間(月5,000円)

年間の節約額

▼81,420円

月あたり6,785円

保障は同じじゃない【正直な比較】

「安くなった」だけを見ると良いことずくめですが、保障の中身は同じではありません。私の場合の比較はこうです。

項目 朝日生命「保険王プラス」 埼玉県民共済(新型・月5,000円コース)
死亡保障 1,000万円 事故:2,400万円
病気:800万円
掛金の推移 更新のたびに年齢に応じて上がる 80歳まで同額
保障の期間 終身タイプ(一生涯の保障が残る部分あり) 加入は80歳代まで・年齢帯で保障内容が変わる
商品の複雑さ 特約が多く全体像がつかみにくい シンプルで説明が一枚で終わる

正直に書くと、私は「一生涯の手厚い保障」を手放しました。病気死亡の保障額は1,000万円から800万円に下がりましたし、共済は高齢になると保障が細ってゆく仕組みです。

それでも乗り換えたのは、次の章の「必要保障額の計算」で、わが家にはもう大きな死亡保障は必要ないと判断できたからです。ここを飛ばして「安いから」だけで乗り換えるのはおすすめしません。

「本当に必要な保障額」を計算し直した

若い頃は「万が一のとき家族に1,000万円」は妥当でした。でも50代になった今、状況は変わっています。私が書き出して確認したのは次の項目です。

  • 遺族年金:会社員が亡くなった場合、遺族には遺族年金が支給されます。金額の目安は遺族年金シミュレーターの使い方と実例で試算できます
  • 会社の死亡退職金・弔慰金:勤め先の制度を就業規則で確認。意外と大きな金額が出る会社もあります
  • 高額療養費制度:医療費は青天井ではなく、公的制度で月の自己負担に上限があります。「医療への備え」を保険で厚くしすぎる必要はないと判断しました
  • 子どもの成長:教育費のヤマ場が見えてきて、「残すべきお金」は年々減っていく段階に入りました

これらを足し合わせると、民間保険で上乗せすべき保障は思ったより小さい、というのが我が家の結論でした。この「家族を守るお金の棚卸し」は50代会社員が整理した「家族を守るお金」全リストに詳しくまとめています。

県民共済の割戻金という嬉しい誤算

県民共済に移って知ったのが「割戻金(わりもどしきん)」です。共済は営利目的ではないため、決算で剰余が出ると掛金の一部が戻ってきます。

💰 割戻金の実例(令和7年7月決算・埼玉県民共済)

割戻率は払込掛金の44.84%でした。私の月5,000円コースなら年間約26,900円が戻ってくる計算で、実質的な負担はさらに軽くなります。
※ 割戻率は毎年の決算で変わります。この率が続く保証はありません。

割戻金まで含めると、実質の年間負担は3万円台になる年もあり、旧契約との差はカタログ上の数字よりさらに広がりました。

つまずいた話:妻は加入できなかった

「安くなったから妻も一緒に」と同時に手続きを進めたのですが、ここで想定外のことが起きました。妻は血圧を下げる薬を使っていることを理由に、加入できなかったのです。

共済は掛金が安い代わりに、健康状態の基準が一律で、個別の調整(民間保険でいう「割増保険料で引き受け」のような柔軟対応)がありません。健康なうちなら簡単に入れるのに、持病や服薬が始まると急に扉が閉まる——これは実際に断られてみて初めて実感した落とし穴でした。

📌 教訓:見直しは「健康なうち」が鉄則

保険や共済の乗り換えは、健康診断で引っかかったり服薬が始まったりする前にしかできない場合があります。「そのうち見直そう」と後回しにするほど、選択肢は狭くなります。そしてもう一つ:新しい保障の加入が確定してから旧契約を解約すること。順番を逆にすると、万が一どこにも入れなかったとき無保障になります。

県民共済が向く人・向かない人

向いていると言われる人 向かないと言われる人
子どもが大きくなり、必要な死亡保障が小さくなってきた 小さい子どもがいて、大きな死亡保障が長期間必要
掛金を抑えて、浮いた分を貯蓄や投資に回したい 一生涯の保障(終身保険)や貯蓄機能を保険に求めたい
シンプルな保障内容で十分と割り切れる 持病・服薬があり、引受基準緩和型など個別対応が必要

なお、医療系の保障を考える際は「そもそもどこまで民間の保険が必要か」という視点も大切です。がん保険は本当に必要か?年代別データで考える記事もあわせてどうぞ。

生命保険を見直す人へ【チェックリスト】

  1. 📄 保険証券を探す:月額保険料・死亡保障額・更新時期・特約をメモする
  2. 📈 「更新型かどうか」を確認:更新のたびに上がるタイプは50代以降の負担増に注意
  3. 🧮 必要保障額を計算し直す:遺族年金+死亡退職金+貯蓄を引いた「不足分」だけ保険にする
  4. 🏥 公的制度を確認:高額療養費制度・傷病手当金を知ってから医療保障を決める
  5. 健康なうちに動く:服薬が始まると選択肢が減る。家族の分も同じ
  6. 新しい保障の加入確定後に解約:無保障期間を作らない

まとめ:保険は「入りっぱなし」が一番高くつく

生命保険は「若い頃に入ったまま」の人が本当に多いジャンルです。私の場合、50歳での見直しで、

  • 年間141,420円 → 60,000円、年間81,420円の削減になった
  • 割戻金まで含めると実質負担はさらに軽くなった
  • ただし「一生涯の手厚い保障」は手放した。必要保障額を計算した上での納得ずくの判断
  • 妻は服薬を理由に加入できなかった。見直しは健康なうちにしかできない

これで火災保険・自動車保険・生命保険の「保険3点セット」の見直しが完了し、合計で年間15万円前後の固定費が軽くなりました。浮いたお金の一部はNISAの積立に回しています。固定費全体の見直し手順は固定費削減の実践ガイドにまとめています。

あなたの生命保険は、いつ・誰のために入ったものですか? まずは保険証券を引っ張り出して、月額と更新時期を確認するところから始めてみてください。

※ 本記事は個人の実体験に基づいています。記載の掛金・保障内容・割戻率は加入時点・決算年度の一例であり、現在の内容とは異なる場合があります。共済・保険の選択は家族構成や健康状態により最適解が異なります。必ず公式サイト・重要事項説明書で最新情報を確認し、必要に応じて専門家にご相談ください。