旧つみたてNISAは“放置”が正解だった|全種類の総投資枠を整理したら、新NISA1,800万円より広い枠が作れる話
私自身、旧一般NISAから始めて、ロールオーバー(5年後に枠を移す仕組み)がよくわからず売却し、新NISAでS&P500の投資信託に一本化した経験があります。そして整理して気づいたのが、旧つみたてNISAを“売らずにそのまま放置”することで、新NISAの1,800万円枠より広い非課税枠を確保できるということ。知らないと損をするかもしれない話なので、全種類まとめました。
NISAは結局何種類ある?全体比較表(総投資枠つき)
まず全種類を一覧で整理します。下の表の「総投資枠」は年間枠 × 非課税期間の単純計算(イメージをつかむための目安)です。
| 制度名 | 年間枠 | 非課税期間 | 総投資枠 (目安) |
現在の状態 |
|---|---|---|---|---|
| 旧一般NISA | 120万円 | 5年 | 600万円 | 2023年で新規終了 |
| 旧つみたてNISA ★ | 40万円 | 20年 | 800万円 | 2023年で新規終了(保有は継続可) |
| ジュニアNISA | 80万円 | 5年 | 400万円 | 2023年で廃止 |
| 新NISA つみたて投資枠 | 120万円 | 無期限 | — | 2024年〜現行 |
| 新NISA 成長投資枠 | 240万円 | 無期限 | — | 2024年〜現行 |
| こどもNISA | 60万円 | 無期限 | 600万円 | 2027年〜予定 |
※新NISAは「つみたて投資枠+成長投資枠」の合算で、生涯投資上限が1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円)です。非課税期間が無期限なので「総投資枠=年間枠×期間」では表せません。
ポイントは、旧制度(旧一般NISA・旧つみたてNISA)は新規の買付けこそ終わっていても、すでに買った分は非課税のまま持ち続けられること。ここに“枠を広げる”カギがあります。
旧一般NISA(2023年終了)— ロールオーバーが複雑すぎた話
制度の概要
- 年間120万円まで投資可能
- 非課税期間は5年間
- 対象:株・投資信託・ETFなど幅広い
- 2023年末で新規投資が終了
旧一般NISAで一番困ったのが「5年後にどうするか問題」でした。5年経つと、①翌年の枠へロールオーバー(移す)②売却 ③課税口座に移す、の3択を迫られます。ロールオーバーは「翌年の枠に移す」仕組みですが、評価額が翌年枠を超えていると超過分が課税口座に自動で移ってしまうなど、正直よくわからないまま期限が来てしまいました。
私の選択は「よくわからないから売却してスッキリ」。その資金を新NISAのS&P500インデックスに回しました。結果的にはこれで良かったと思っています。
旧つみたてNISAは“放置”が正解!その理由
制度の概要
- 年間40万円まで積立投資が可能だった
- 非課税期間は20年間(2023年の最終積立分は2042年まで非課税)
- 対象:金融庁が認定した低コストの投資信託のみ
- 2023年末で新規投資は終了(保有は継続できる)
なぜ“そのまま保有”がお得なのか
旧つみたてNISAの非課税枠は「買ったときの金額」でカウントされています。たとえば過去に40万円分買って、それが今もっと大きく育っていても、値上がり益ごと非課税のまま持ち続けられるのです。
これを売却して新NISAで買い直すと、新NISAの生涯枠1,800万円を、買い直した金額分だけ消費してしまいます。つまり——
| 旧つみたてNISAを売った場合 | 旧つみたてNISAをそのまま保有 | |
|---|---|---|
| 新NISAの生涯枠 | 1,800万円 | 1,800万円 |
| 旧つみたてNISAの非課税枠 | 売却 → 枠を消費 | 非課税のまま継続 |
| 実質的な非課税運用枠 | 1,800万円 | 1,800万円+旧枠分 |
結論:旧つみたてNISAは、売る特別な理由がない限り“放置”が正解。非課税期間(最終分で2042年まで)いっぱい、持ち続けるのが基本です。
【実体験】楽天証券で口座が2つに分かれて表示される件
旧つみたてNISAを楽天証券で確認すると、「旧NISA」と「つみたてNISA」という2つの口座に分かれて表示されていて、最初は別の制度かと思いました。
結論から言うと、これは同じ「旧つみたてNISA制度」の口座が、証券会社の表示上の都合で2つに分かれているだけです。積立金額を途中で変更したタイミングなどで、別枠として管理されるケースがあります。どちらも旧つみたてNISAなので、合算して非課税期間いっぱい持ち続けられます。
- 「旧NISA」「つみたてNISA」と別々に出ても、中身は同じ旧つみたてNISAのことがある
- それぞれに非課税の期限(積立年から20年)が設定されている
- 新NISAの1,800万円枠とは完全に別枠。だから売らずに持ち続けるのが基本
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旧NISAの期間終了後はどうなる?税金は?
| 制度 | 期間終了後の扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| 旧一般NISA (5年) |
課税口座(特定口座など)に自動移管。移管時の評価額が新しい取得価格になる | 移管後の値上がり分に約20%課税 |
| 旧つみたてNISA (20年) |
20年経過後に課税口座へ自動移管(最終積立分は2042年まで非課税) | ★期間中はそのまま保有がお得。新NISAの1,800万円枠は別枠で温存できる |
課税口座に移ったあと売ったら税金はかかる?
かかります。ただし課税されるのは「移管されたあとの値上がり分」だけです。
たとえば、買付100万円 → 期間終了時150万円(このタイミングで移管)→ 売却時180万円、というケースでは、課税対象は移管後に増えた30万円分だけ(約20%=約6万円)。非課税期間中に増えた50万円は非課税のままです。なお、特定口座(源泉徴収あり)に移管されていれば、原則として確定申告は不要です。
旧NISAから新NISAへ「直接移す」はできない
旧NISAの資産を新NISAに直接移すことはできません。いったん売却 → 新NISAで買い直すという手順になります。売却益は非課税のうちに確定できるので、「非課税期間内に売って新NISAで買い直す」という選択肢も、人によっては有効です。
新NISA(2024年〜)とこどもNISA(2027年〜予定)
2024年から始まった新NISAは、旧制度から大きく改善されました。最大のポイントは非課税期間が無期限になったことです。
つみたて投資枠(年間120万円)
- 年間120万円まで積立投資(旧つみたてNISAの3倍)
- 対象:金融庁認定の低コスト投資信託のみ
- 非課税期間:無期限
成長投資枠(年間240万円)
- 年間240万円まで投資可能(株・ETF・投資信託など幅広い)
- 非課税期間:無期限
- つみたて投資枠と併用可能(合計で年間最大360万円・生涯1,800万円)
旧一般NISAで悩まされた「5年縛り・ロールオーバー問題」が完全に解消され、無期限で非課税のまま持ち続けられます。長期の積立とは相性抜群です。
こどもNISA(2027年〜予定)
使い勝手の悪さ(18歳まで原則引き出し不可)で2023年に廃止されたジュニアNISAの後継として、2027年から「こどもNISA」が始まる予定です。
- 18歳未満が対象(運用は親が代理)
- 年間60万円・生涯上限600万円
- 対象:新NISAのつみたて投資枠と同じ低コスト投信
- 非課税期間:無期限/ジュニアNISAと違い引き出し制限なしの見込み
※こどもNISAは2026年時点でまだ制度開始前のため、内容は今後変わる可能性があります。最新の公式情報をご確認ください。
おまけ:資産を全部足して借金を引いたら…まさかのマイナスだった
NISAの整理をしていて、ふと気になりました。「自分の“本当の資産”って、結局いくらなんだろう?」
ここで大事なのが、簿記・会計の超基本の式です。
投資(NISA)や預金が“それなりに”あっても、それは式の左側(資産)だけの話。住宅ローンなどの借金(負債)を引いて初めて、「自分が本当に持っている財産=純資産」が出ます。
そこで私も、現金・預金・NISAの評価額を全部足して、住宅ローンを引いてみたところ——
- 純資産、まさかの「7桁のマイナス」(つまり数百万円のマイナス)。
- 会計の言葉でいうと「債務超過」(借金のほうが資産より多い状態)。
- 投資も預金もしているのに、足し引きしたら「私、資産マイナスやん!」
でも、慌てなくていい理由
住宅ローンを抱えた現役世帯では、この“純資産マイナス”は実はよくあることです。理由はシンプルで、ローンは「今日の借金」としてフルで計上されるのに、退職金・年金・投資の将来の成長分は、今の計算には載らないからです。
この「今は見えないけれど、確実に積み上がっていく将来の財産」をオフバランス資産(バランスシートに載らない資産)と呼びます。退職金や、これから受け取る年金、NISAの長期成長分などがこれにあたります。
- 投資額や預金額だけを見て安心しない。借金と相殺した「純資産」を一度は確認しよう
- 現役で住宅ローンがあるうちの“純資産マイナス”は珍しくない。落ち込みすぎなくていい
- NISAでコツコツ積み立てる=資産サイドを少しずつ厚くする行動。いつか純資産プラスへ
※ここでの金額は本人特定を避けるため「7桁のマイナス」とだけ記載しています。退職金・年金・将来の成長分の見込み額は人それぞれで、確実な金額を保証するものではありません。
まとめ:NISA枠を最大化する行動指針
- 旧一般NISAが残っている:非課税期間内に売却→新NISAで買い直しが有利なケースも
- 旧つみたてNISAが残っている:★そのまま保有継続!新NISAと並行して非課税枠を最大化
- これから始める(18歳以上):新NISAのつみたて投資枠から、少額でもスタート
- 子どもの資産を作りたい:2027年〜のこどもNISA(先に未成年口座を準備しておくのも手)
- ときどき「資産−借金=純資産」を計算して、本当の財産を確認しよう
複雑に見えるNISAも、整理すれば「長期・積立・分散」という原則は変わりません。制度の違いに振り回されず、シンプルに続けることが一番の近道だと思っています。