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はじめに――なぜS&P500に全集約したか
数年前、私は複数の投資信託と個別株を「なんとなく」組み合わせていた。高配当株、テーマ型投資信託、国内REIT……。正直なところ、何を根拠に選んでいたかは曖昧だった。月次レポートを見ても「よくわからないな」で終わり、ポートフォリオが散らかっていくだけだった。
それが、両学長の「お金の大学」を読み、ヤマケンさんや厚切りジェイソンの考え方に触れたことで、方針が一気にシンプルになった。「インデックスファンドの長期積立に集約する」「手数料を徹底的に下げる」「シンプルに続ける」。この3点を実践するために、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に一本化した。
結論から言うと、集約して正解だった。管理が楽になり、余計なことを考えずに積立を続けられるようになった。この記事では、実際の運用実績の数字とともに、S&P500に全集約した理由を正直に書いていく。
私のリアルな運用実績(数字で公開)
2026年4月時点での実績を公開する。数字は楽天証券の管理画面から確認したものだ。
| 口座・枠 | 投資額 | 評価額 | 損益 |
|---|---|---|---|
| 新NISA つみたて投資枠 | 40万円 | 44.1万円 | +41,695円 |
| 新NISA 成長投資枠 | 229.3万円 | 292.9万円 | +635,220円 |
| 旧NISA(一般NISA) | 27.5万円 | 53.8万円 | +263,167円 |
| つみたてNISA | 44.9万円 | 104.1万円 | +591,196円 |
| 合計 | 約341万円 | 約495万円 | +約154万円(約+45%) |
NISA資産合計(2026年4月時点)
約495万円
投資元本 約341万円 → 含み益 +約154万円(+約45%)
特に長く保有してきたつみたてNISAの+591,196円(+131%超)の伸びを見ると、長期積立の複利効果をあらためて実感する。旧NISA(一般NISA)も投資額27.5万円が53.8万円と、ほぼ倍になっている。
現在は月5万円をeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のつみたて投資枠に設定し、引き続き積立を続けている。
投資信託の手数料がなぜ重要なのか
S&P500に全集約した理由の一つが、信託報酬(手数料)の低さだ。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬は年0.09372%以内(2024年時点)と、業界最低水準クラスだ。これがいかに重要かを、具体的な数字で考えてみる。
| 信託報酬の比較 | 年率 | 300万円・20年後の手数料負担(概算) |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim S&P500 | 約0.09% | 約5〜6万円 |
| アクティブ型投資信託(例) | 約1.0〜1.5% | 約60〜90万円 |
※上記は概算のイメージです。実際の手数料は運用額・期間・リターンによって異なります。
手数料は「見えないコスト」なので意識しにくいが、長期間積み重なると大きな差になる。インデックスファンドが個人投資家に向いているとされる理由の一つがここにある。
かつて私が保有していたテーマ型投資信託は信託報酬が1%超のものもあった。しかもパフォーマンスはS&P500に負けていた。「高い手数料を払って、低いリターン」というのが実態だったと気づいてから、迷わず集約することにした。
S&P500インデックスファンドを選ぶ3つの理由
- 信託報酬が業界最低水準クラスで、コストを最小化できる
- 米国を代表する大型株500社への分散投資で、個別銘柄リスクを低減
- 管理が不要な「買ったら放置」スタイルで長期継続しやすい
両学長・ヤマケンさん・厚切りジェイソンから学んだこと
投資スタイルを変えるきっかけになった3人について触れておきたい。
両学長(リベ大)
YouTubeで両学長のチャンネルを見始めたのが最初のきっかけだ。「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」という5つの力の考え方は、お金に対する向き合い方をシンプルに整理してくれた。書籍「お金の大学」も読み、実際にNISAの積立設定や固定費の見直しを行動に移した。2025年2月にはリベシティにも入会し、同じ境遇の仲間と情報交換している。
ヤマケンさん
ヤマケンさん(山口貴教氏)のコンテンツでは、インデックス投資の本質と「余計なことをしない」長期投資のマインドセットを学んだ。個別株やテーマ型ファンドを「追いかける」スタイルをやめるきっかけになったのは、ヤマケンさんの「普通の人が勝てる唯一の方法はインデックスへの長期積立だ」という考え方に共感したからだ。
厚切りジェイソンさん
「ジェイソン流お金の増やし方」で有名な厚切りジェイソンさんのメッセージは明快だ。「WHY JAPANESE PEOPLE!なぜ投資しないんですか!」というフレーズが印象的だが、その本質は「インデックスファンドの長期保有で資産形成する」というシンプルなものだ。外資IT企業のエグゼクティブとして活躍しながら実践してきた方の言葉は、説得力があった。
3人に共通するメッセージ
「インデックスファンドへの長期積立をシンプルに続ける」。難しい銘柄選びより、手数料を下げてコツコツ続けることが個人投資家にとって最も合理的な選択肢の一つとされています。
息子18歳のNISA開始とトランプショック体験
2024年に息子が18歳になったタイミングで、一緒に楽天証券のNISA口座を開設した。息子はお年玉などの貯蓄から58万円をオルカン(全世界株式インデックスファンド)で一括投資した。
ところが、投資直後に「トランプショック」が起きた。米国の大規模関税政策の発動を受けて世界の株式市場が大幅下落し、息子の口座の評価額がみるみる下がっていった。「お父さん、もうマイナスになってる」という連絡が来たときは、正直こちらも動揺した。
しかし「長期投資の基本は短期の値動きに反応しない」という考え方を息子に伝え、売らずに保有を続けた。それから数ヶ月、市場が持ち直してきて含み損は大幅に縮小した。息子も「売らなくてよかった」と言っていた。
18歳でこの体験をしておくことは、長い目で見れば非常に価値があると思っている。下落局面でパニック売りをしない、という姿勢を実地で学べたからだ。
息子の将来シミュレーション――18歳スタートの強さ
息子は18〜24歳の間は学業・就職活動等の事情から積立を一時停止し、25歳から月3万円の積立を再開する予定だ。
以下は年利7%を仮定した場合のシミュレーションだ。実際の運用成果は市場環境によって大きく異なる。
| 年齢 | 想定評価額 | 備考 |
|---|---|---|
| 18歳(現在) | 58万円 | オルカン一括投資(スタート) |
| 24歳 | 約87万円 | 6年間複利のみ(積立なし) |
| 25歳〜 | 月3万円積立開始 | 就職後に積立再開予定 |
| 30歳 | 約143万円 | 積立5年 |
| 40歳 | 約420万円 | 積立15年 |
| 50歳 | 約980万円 | 積立25年 |
| 60歳 | 約2億円 | 積立35年・複利の威力が最大化 |
※上記はシミュレーションツールによる試算(年利7%複利)です。実際の運用成果は保証されるものではなく、市場環境・税制変更等により大きく異なる場合があります。
18歳スタートの最大の武器は「時間」
複利投資では「何%で運用するか」より「何年間続けるか」の方が最終的な資産額に与える影響が大きくなります。58万円という決して多くない元本でも、42年間の複利と積立が組み合わさることで大きな資産に成長する可能性を秘めています。
息子の60歳時点での試算を見るたびに、「なぜ自分は30代のうちに始めなかったのか」と思う。でも後悔しても仕方がない。それよりも、息子が早い段階でこの仕組みを理解し、実践し始めてくれたことを純粋に嬉しく思っている。
私の60歳までのシミュレーション
私は現在52歳。定年まであと8年だ。遅い出発だが、現時点でのNISA資産は約495万円ある。ここから月5万円の積立を続けた場合のシミュレーションを試算した(年利7%仮定)。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 現在のNISA資産(2026年4月時点) | 約495万円 |
| 8年後(60歳時点)の評価額(NISA資産の複利分) | 約850万円 |
| 8年間積立分(月5万円×96ヶ月) | 約580万円 |
| 60歳時点のNISA資産合計(試算) | 約1,430万円 |
| 退職金(見込み) | 約800万円 |
| 住宅ローン残債 | 約▲300万円 |
| 60歳時点の純資産合計(試算) | 約1,930万円 |
※年利7%の複利を仮定した試算です。実際の運用成果は保証されません。退職金は現時点での見込み額であり確定値ではありません。
「老後2,000万円問題」という言葉が話題になったのは数年前のことだが、このシミュレーションを見ると、52歳からでもコツコツ続けることで2,000万円に近い水準を目指せる可能性がある。ただし年金収入や生活費の状況によって余裕度は人それぞれなので、自分の数字をもとに計算してみることをおすすめする。
52歳から始めた場合でも積み上がる理由
- すでに積み上げてきたNISA資産(約495万円)が複利で成長し続ける
- 月5万円の積立が8年間で約480万円の元本を積み上げる
- 退職金と組み合わせることで、老後資産の全体像が見えてくる
まとめ・これから始める方へ
S&P500への全集約という選択を振り返ると、「シンプルにした方が続く」という当たり前の事実を改めて実感している。複数のファンドを抱えていたときより、今の方がはるかに管理が楽だし、余計なことを考えずに積立が続けられている。
数字で見ると、投資額約341万円が評価額約495万円(+約45%)になっている。もちろんこれは市場環境の恩恵を受けた部分も大きい。下落局面も来るだろう。でも長期投資の考え方でいれば、一時的な下落は「安く買えるタイミング」と思えるようになってきた。
息子の18歳スタートを後押しできたことも、自分にとって大きな収穫だ。時間という最大の武器を最も持っているのは若い世代だ。少しでも早く始めることの価値を、自分の体験と息子の体験を通じて伝えていきたいと思っている。
こんな人にこの記事が届いてほしい
- NISAを始めたいが、どのファンドを選べばいいか迷っている人
- 複数の投資信託を持っていて、整理したいと思っている人
- 40・50代で「今から始めても遅くないか」と不安を感じている人
- 子どもにNISAを始めさせるべきか考えている親御さん
改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学
両@リベ大学長 著。S&P500インデックス積立をはじめ、お金の5つの力を体系的に解説した入門書。私がNISA全集約を決めるきっかけになった一冊です。
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