平均年収600万・500万・400万で40年働いたら厚生年金はいくら?手取りまでシミュレーション
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平均年収600万・500万・400万で40年働いたら厚生年金はいくら?税金・保険料を引いた手取り額までシミュレーション【2026年度】

「自分の年金、結局いくらもらえるの?」——これは退職準備でいちばん多い疑問です。そして意外と知られていないのが、年金からも税金や保険料が引かれること。額面どおりには受け取れません。

この記事では、平均年収600万円・500万円・400万円で40年間会社員として働いた場合の年金額を、2026年度(令和8年度)の制度で試算し、そこから引かれる介護保険料・健康保険料・所得税・住民税まで含めた「手取り額」を出します。計算式と前提もすべて明記するので、ご自身でも検算できます。

📝 結論の早見表(65歳から・本人分・年額)
  • 平均年収600万円 → 額面 約216万円(月約18.0万円)/手取り 約189万円(月約15.8万円)
  • 平均年収500万円 → 額面 約194万円(月約16.2万円)/手取り 約172万円(月約14.3万円)
  • 平均年収400万円 → 額面 約172万円(月約14.4万円)/手取り 約155万円(月約12.9万円)
  • つまり 手取りは額面の9割前後。「額面から約1割引かれる」と覚えておくと実用的です

1. 年金は2階建て:計算式と前提を最初に明記

会社員の年金は「2階建て」です。1階が全員共通の老齢基礎年金(国民年金)、2階が現役時代の収入に比例する老齢厚生年金(報酬比例部分)。この記事の試算は、次の式と前提で計算しています。

🧮 この記事の計算式(2026年度・令和8年度の水準)
① 老齢基礎年金(満額)= 847,300円/年(月70,608円)
② 老齢厚生年金 = 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 480か月(40年)
③ 年金額面 = ① + ②

※「平均標準報酬額」は、賞与込みの平均年収を12で割った月額とみなして計算(例:年収600万円→月50万円)。基礎年金額は日本年金機構公表の令和8年度の額(67歳以下の新規裁定者)です。

🔍 検算したい方への前提まとめ(そのままAIや電卓でどうぞ)
  • 40年間(480か月)ずっと厚生年金に加入、保険料の未納なし
  • 「平均年収」は賞与込み・現役40年間の平均(過去の給与の再評価後の額とみなす)
  • 乗率は全期間 5.481/1000 で簡略化(2003年3月以前の期間は本来別の乗率・賞与の扱いも異なります)
  • 標準報酬月額の上限(65万円)・賞与の上限は影響しない年収帯として無視
  • 65歳受給開始・本人分のみ(配偶者の年金・加給年金は含まない)

2. 年収別シミュレーション:額面はいくら?

上の式に当てはめて計算します。たとえば年収600万円なら、平均標準報酬額は50万円なので「50万円 × 5.481/1000 × 480 = 約131.5万円」が2階部分。これに基礎年金の約84.7万円を足します。

平均年収
(賞与込み)
①基礎年金
(年額)
②厚生年金
(年額)
額面合計
(年額)
額面合計
(月額)
600万円847,300円約1,315,000円約216万円約18.0万円
500万円847,300円約1,096,000円約194万円約16.2万円
400万円847,300円約877,000円約172万円約14.4万円

見てわかるとおり、年収が100万円違うと、年金は年額でおよそ22万円(月約1.8万円)変わる計算です。現役時代の収入差ほどには、年金の差は大きくありません。これは収入が低い人ほど手厚くなるよう設計されているためです。

💡 夫婦の場合はここに配偶者の年金が加わる

上の表は本人1人分です。たとえば配偶者が国民年金のみ(満額)なら、世帯では +約84.7万円/年(月約7.1万円)。年収500万円×40年の人と専業主婦(夫)の世帯なら、世帯額面は月約23.2万円というイメージです。

3. 年金から引かれる4つのもの(天引きの仕組み)

ここからが本題の後半戦。年金は「もらう側」になっても、給料と同じように天引き(特別徴収)があります。引かれるのは主に次の4つです。

引かれるもの内容目安
① 介護保険料65歳以上は年金から天引き。市区町村ごと・所得段階ごとに決まる全国平均の基準額は月6,225円(第9期)。所得に応じて1.2〜1.5倍程度になる段階も
② 健康保険料74歳までは国民健康保険、75歳からは後期高齢者医療制度。これも自治体・所得で変わるこのモデルでは年8〜12万円程度
③ 所得税「公的年金等控除」(65歳以上は最低110万円)を引いた残りに課税今回の3ケースはすべて0円(後述)
④ 住民税前年の所得に対して約10%+均等割。年金額が一定以下なら非課税このモデルでは年1〜5万円程度

朗報:このレベルの年金なら所得税は0円になるケースが多い

2025年(令和7年)の税制改正で、所得税の基礎控除は所得に応じて拡充されました。一律に増えたのではなく、所得が低いほど控除が大きくなる仕組みで、本記事のモデルのように合計所得金額132万円以下の場合は95万円が適用されます(国税庁)。さらに65歳以上の年金には「公的年金等控除」が最低110万円、加えて支払った保険料の分の社会保険料控除もつきます。

つまり年金収入が約216万円(年収600万円ケース)でも、所得は216万−110万=106万円。ここからこのモデルで適用される基礎控除(95万円)と社会保険料控除を引くと、課税される所得が残らないため所得税は0円になります。「公的年金等控除+基礎控除+社会保険料控除」の3つの合わせ技で、年金収入だけなら月18万円クラスでも所得税がほとんど発生しないケースが多い——これが2025年改正後の姿です(※年金以外に収入がある場合や所得が多い場合は、適用される控除額が変わり課税されることがあります)。

一方、住民税の基礎控除は43万円のままなので、住民税は少し残ります。年金の税金の仕組みをもっと詳しく知りたい方は、年金に税金はかかるの?の解説記事もどうぞ。

4. 手取りシミュレーション:実際に使えるお金

では4つの天引きを引いた手取りを出します。①②の保険料は自治体差が大きいため、ここでは「65歳・単身・年金以外の収入なし・大都市部の保険料水準」というモデルでの目安です。

平均年収額面
(年額)
介護+健康
保険料
所得税住民税手取り
(年額)
手取り
(月額)
600万円約216万円約22万円0円約4.6万円約189万円約15.8万円
500万円約194万円約20万円0円約2.7万円約172万円約14.3万円
400万円約172万円約17万円0円約0.8万円約155万円約12.9万円

※保険料は「国民健康保険=所得割約10%+均等割約6万円」「介護保険=基準額月6,225円×所得段階の倍率」で機械的に試算した目安。住民税は所得割10%+均等割等約5,000円で計算。お住まいの自治体で必ずご確認ください。

3ケースとも、手取りは額面の88〜90%前後に落ち着きました。ざっくり「額面から1割引かれる」と覚えておけば、老後の生活費の計画には十分使えます。

💡 月の手取りで生活をイメージすると

年収500万円×40年の単身者で手取り月約14.3万円。総務省の家計調査では高齢単身世帯の生活費は月15万円前後とされることが多く、年金だけではわずかに足りないか、ギリギリという水準です。だからこそ、退職までにNISAなどで「年金の上乗せ」を作っておく意味があります。老後資金シミュレーションの記事で不足額の計算方法を解説しています。

5. この試算の注意点(必ず読んでください)

⚠️ 試算と実際が変わる主な理由
  • 「平均年収」は40年間の平均です。今の年収ではなく、若い頃の安い給料も含めた平均(しかも物価・賃金で再評価した額)なので、現在年収600万円の人の生涯平均はもっと低いことが多いです
  • 2003年3月以前の加入期間は計算方法が異なるため、実際の額は前後します
  • 保険料・住民税は自治体によって差があります(特に国民健康保険料)
  • 将来はマクロ経済スライド(年金の伸びを物価より抑える仕組み)により、実質的な価値が目減りする可能性があります
  • 夫婦か単身か、扶養の有無、年金以外の収入で税・保険料は変わります

正確な自分の見込み額は、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」か、日本年金機構の「ねんきんネット」で確認できます。50歳以上の定期便には「このまま働いた場合の見込み額」が載っているので、この記事の試算と見比べてみてください。

なお、年金は65歳になっても自分で請求しないと振り込まれません。もらい損ねのパターンは「もらえない」7つのケースの記事にまとめています。受給開始を何歳にするかで額が変わる話は受給開始年齢の診断ツールをどうぞ。

6. まとめ:自分の正確な数字は「ねんきん定期便」で

📝 この記事のポイント
  • 平均年収600万・500万・400万×40年の年金額面は月約18.0万・16.2万・14.4万円(2026年度水準・本人分)
  • 年金からも介護保険料・健康保険料・住民税が天引きされる。手取りは額面の9割前後
  • 2025年の税制改正で基礎控除が所得に応じて拡充され、公的年金等控除・社会保険料控除との合わせ技で、このモデルでは所得税0円
  • 計算式は「平均標準報酬額×5.481/1000×480か月+基礎年金847,300円」。前提を変えれば自分用に再計算できます
  • 正確な見込み額はねんきん定期便・ねんきんネットで確認を
📚 出典・参考(2026年6月13日閲覧)